<横浜6-3中日>◇8日◇横浜

 中日落合博満監督(56)が、自慢のクリーンアップ「BMW」にオレ流のゲキだ。横浜戦は4安打で3点を奪ったものの、森野、和田、ブランコの3人が無安打に終わり、敗れた。ただ、試合後、指揮官はある手ごたえを口にした。「脇が固まりつつあるから、あとは3、4、5だ。これまではあの3人だけだったけどな。そのうち、もう1人も帰ってくるだろうし。ここからあいつらにかかる比重が大きくなる」。

 右肩痛を抱える1番荒木が2安打。2番大島は5日から1軍復帰した。2日に戻ってきた6番セサルも3試合連続打点と好調だ。そして落合監督が「もう1人」と表現したのが現在2軍調整中の井端だ。9日からのウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(雁の巣)で実戦復帰の予定。100%に近い動きができれば、13日ヤクルト戦から1軍合流の可能性もある。

 開幕から主軸3人頼みの攻撃だったが、ようやくおぜん立てができるようになった。だからこそ、この夜、横浜先発ランドルフの前に沈黙した主軸をあえて名指ししたのだろう。「疲れているのかなんか知らんけど。まだそんな年じゃねえだろ。30代だろ?

 疲れているんだったらいつでも休ませてやるよ。野球やめりゃ、ただの人だ」。

 チーム283得点のうち「BMW」が稼いだのは50%以上を占める147点。バットを持てば、これほどすごい男たちはいない-。辛口にはそんな逆説的な期待が込められている。戦力は整った。逆転ドラマを演じられるかどうかは主役次第だ。9日から本拠地での巨人戦。7・5差からの首位追撃へ、指揮官のムチが入った。【鈴木忠平】

 [2010年7月9日11時17分

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