<西武6-1オリックス>◇15日◇西武ドーム

 4カ月ぶりの2勝目に、真っ黒に日焼けした顔をくしゃくしゃにした。45日ぶりの1軍のマウンドで、西武西口文也投手(37)がオリックス打線を6回2安打無失点、4者連続を含む7個の三振はすべて変化球で空を切らせた。「今日は何も言うことはない。スライダーがすごく良くて、自分らしい投球ができた」と充実感があふれた。最速143キロの直球に加え、代名詞のスライダーが低めに決まった。潮崎投手コーチも「とにかく素晴らしい。2ケタ勝ってるいい時をほうふつとさせた。抑えるべくして抑えたね」と賛辞を惜しまなかった。

 2軍では16年目、37歳にして初めてウエートトレを取り入れた。子どもに「腕が太くなったね」と言われるほど体つきが変わった。開幕時は140キロに届かなかった直球が、5日の2軍戦では147キロを計測。指導した南谷2軍コンディショニングコーチも「ベテランにはかなりのハードな量をやらせた。上半身がごつくなって、やっとプロ野球選手の体つきになってきたよ」と笑う。

 肉体改造は球威を取り戻すためだけではない。南谷コーチは「40歳まで現役でやるためだと本人には言ったよ。(短期間のトレーニングで効果が出た)あいつにはまだのびしろがある」と力説する。4月15日楽天戦以来の白星で通算165勝。西口は「まあ、それはね…。1個1個だから」と多くを語らないが、投げ続けた先には200勝の大台が待つ。チームに4年ぶりの8連勝を呼び込み、復活へ、確かな1歩を刻んだ。【亀山泰宏】

 [2010年8月16日11時54分

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