105球熱投で開幕ローテに前進!

 左肘手術からの復活を目指す阪神岩田稔投手(27)が8日、ブルペンでキャンプ初の100球超えを果たした。変化球を交えながら105球を投じ、打ってはマシン打撃を294スイング。岩田復活の兆しに、巨人OBの日刊スポーツ評論家・緒方耕一氏も阪神投手陣の充実を指摘した。

 ヘトヘト。岩田は久々の疲労に苦笑いだ。昨年3月に左肘手術後、ブルペンで初の100球超え。全身の張りが心地よかった。

 「予想以上にしんどかった。球が上ずって、何とか低めに投げようとは思ったんですが…。バランスを崩して投げたから、100球でもしんどかった」。

 太陽が照りつける中、投球開始から力む。それでも「らしさ」は披露した。統一球との相性が良く、持ち味の「動く直球」がさらに動く。鋭く大きく曲がるスライダーを投げ込めば、ネット裏の首脳陣から「オオ~ッ」と声が上がった。久保投手コーチは「今日も気持ちよく行ってたね。あれぐらい体重移動すれば疲れるよ」とうなずいた。100球という壁を越え、開幕ローテ入りへまた1歩前進した。

 「バランスを意識している。今日はちょっと軸がズレていた。バランスを崩さず、肘に負担をかけないよう。理想に近づけるようにしないと。(フリー打撃登板も)そろそろ入ってくる。どれだけ打者が反応してくれるのか見たい」。

 患部の状態は良好。明日10日からの第3クール中にはフリー打撃初登板の可能性が高い。11年初の実戦登板も近づいてきた。この日は室内練習場でストレートマシンを相手に294スイング。3日連続でマシン打撃に励んだ。木戸ヘッドコーチに指導されながらバントも練習。先発投手となれば欠かせない9番打者の準備も着々と進めた。

 「打撃練習は自主的にやっています。今しか振り込めない。投球に良い影響もある。軸を意識して突っ込まないように」。

 09年は左肩痛で大きく出遅れ、10年は左肘手術で1年を棒に振った。

 「去年のことが頭に残っている。同じことを繰り返さないようにしたい。ゼロからのスタート。しっかりローテを確保できるように、結果を残すのが一番。1年間ローテを守りたい」。

 あえて数字目標は口にしない。魂の左腕が不言実行で巻き返す。【佐井陽介】

 [2011年2月9日11時6分

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