阪神が3月上旬からドラフト最上位候補・野村祐輔(3年=広陵)擁する明大や東洋大、近大、立命大と練習試合を行う計画があることが16日、分かった。日本学生野球協会の評議員会が都内で開かれ、3月1日から、大学単独チームとプロとの試合が解禁された。4大学とも今秋のプロ入りが決定的な逸材を擁しており、品評会さながらに注目を集めそうだ。

 プロアマ交流の歴史的な緩和により、魅力的なマッチメークが進んでいることが分かった。3月1日から大学チームとプロが練習試合を行うことが承認された。この機会を生かし、阪神2軍が同上旬から明大、東洋大、近大、立命大の強豪4校と対戦する方向で調整中だ。

 双方にメリットのある注目4カードになることは間違いない。いずれの大学チームも「金の卵」がそろっている。明大の野村は右の本格派で、実績や投球術は抜群。阪神も今秋ドラフトの最上位候補にリストアップしている。広陵高では、夏の甲子園で準優勝を経験。金本や福原ら同校出身者が多いという縁もあり、熱心にマークしている。東洋大にはアマ屈指の左腕藤岡貴裕(3年=桐生一)がいる。最速150キロのストレートが武器で、これも即戦力の超目玉的な存在だ。

 球界関係者は言う。「阪神はドラフト上位候補のいるチームとの対戦を組もうとしている」。大学球界のトップクラスが2軍の若手選手にどんな投球を見せるのか。プロ側にすれば、ドラフトへの重要な資料になることは確実。特に今年は東海大の右腕菅野も含め、豊作イヤーと言われる。直接対決は、指名候補絞り込みに向けた貴重な機会となる。大学側にとっては、プロに通用するかの目安になる。練習の取り組みにも大きく生きてくるはずだ。

 明大、東洋大だけでなく、関西の強豪との対戦も希望している。近大、立命大の2校もOBが阪神に在籍しており、密接な関係がある。しかも近大には変則サウスポー・中後悠平(3年=近大新宮)がドラフト上位候補。俊介を指名し、1軍に定着したこともあり、要注意マークの1人だ。立命大は大型右腕の徳山武陽(3年=三田学園)を擁している。

 1軍の仕上がり具合が気になる3月に、来年の即戦力にも思いをはせる。阪神2軍と強豪大学の歴史的なカードはファンにとっても注目の的になる。

 [2011年2月17日11時35分

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