秋の倉敷が“デーブ地獄の黙示録”と化す。楽天の打撃コーチに就任する大久保博元氏(44)が29日、11月2日から岡山・倉敷で行われる秋季キャンプの構想を語った。私用で秋田を訪問し、早くも指導熱をたぎらせた。「朝6時半に宿舎出発。全員で。午前中700スイング。多い人は1日2000スイングは行く!」。屈強な西武打線を築いたアーリーワークを楽天でも導入することを宣言した。

 とことん振り込ませる。決して根性論じゃない。「量をこなすことで体幹が鍛えられる。体力もつく」。加えて重要なのは「神経伝達が良くなること」だという。「体を動かすのにどれだけ無駄な力を使っているか。数を重ねればスムーズになる。医学的にも証明されている」と説いた。

 締めは“魔の16分”。フリー打撃を打撃投手とカーブマシンで1セット8分ずつ行う。「マシンの緩い球で打撃に必要な間(ま)を覚えてほしい。きついよ。4人に1人はぶっ倒れる」。不気味な予告も出たが、すべては選手のため。「4日に1回は落とし日も。でも秋だからって、練習量を春より落とす必要はない」。来季浮上に不可欠な打力アップのためなら、地獄の鬼にもなる。【古川真弥】