プレ開幕を制して開幕を制す。中日高木守道監督(70)が26日、3月2日からの広島とのプレ開幕3連戦(ナゴヤドーム)は手の内を隠さず戦う考えを明かした。開幕投手候補の山本昌(46)、川上憲伸(36)、吉見一起(27)の3本柱を投入。ドラフト1位高橋周平内野手(18=東海大甲府)や、山崎武司内野手(43=楽天)らもスタメン起用する。3月30日からの本番3連戦を前に、王者の力を見せつける。

 これが連覇チームの余裕か。高木監督は笑みをたたえて言った。「開幕で当たるから出さんとか、そういう時代じゃないよ」。3月2日からナゴヤドームで広島3連戦。これは4週間後の開幕3連戦とまったく同じ相手、同じ球場だ。本来なら手の内は隠したい。特に新戦力や復活組の選手はなおさらだ。だが、指揮官にその考えはなかった。

 まずは先発陣。2日の初戦、ナゴヤドーム開幕投手は恒例の守護神岩瀬仁紀投手(37)が務める。だが、その後マウンドに上がるのは、開幕投手候補に挙げる山本昌だ。昨季は右足首の故障で登板0。「本当に開幕投手ができるかどうか見たい。予定しとるからね」。指揮官は大胆不敵に笑った。

 3日の2戦目は川上だ。右肩痛で米国での昨季登板がなかった右腕にとって1年ぶりの実戦。古巣ナゴヤドームも実に4年ぶりだ。そして4日の3戦目は、昨季最多勝&最優秀防御率の2冠エース吉見。豪華3本柱を惜しまずに投入する。

 全員順調なら、この順番で開幕3連戦を任せる可能性もある。だがプレ開幕戦は研究される材料と時間を与えるリスクもある。山本昌の状態はどうなのか、川上の真っすぐは4年前と比べてどうなのか。だが指揮官が最優先するのは、本番と同じ舞台で力量を確認すること。さらには快投でねじ伏せて相手に嫌なイメージを植え付け、1カ月前から優位に立つことだ。

 野手陣も同じ発想だ。新4番候補の山崎はもちろん、ドラ1高橋周もスタメン起用していく。監督は「ローテ投手に慣れることの方が大事だから」と説明。広島はバリントン、福井、篠田らの登板が予想される。3日が高校の卒業式で、出場は2日だけの可能性もあるが、少しでも多く打席に立ち、球種やクセなど得るものの大きさを優先する。打てばなお自信も深まる。

 3月6日にDeNA戦、7、8日はヤクルト戦と練習試合3連戦(ナゴヤ球場)の追加も決まった。こちらも同一リーグ相手だが、手の内は隠さない。ライバル球団よ、さあ、いらっしゃい。守道竜が王者の戦いで3連覇に挑む。【松井清員】