西武が22日、18日発売の写真週刊誌「フライデー」で女性問題を報じられた涌井秀章投手(25)の出場選手登録を抹消した。寝顔写真を掲載されるなど、球団側はエースとしての品格を問題視。2軍に降格させ、振る舞いを見直させる方針を固めた。昇格時期については未定で、極めて異例の厳しい決断を下した。一方の涌井は、球団の決定に素直に従う意向を示した。

 西武が、週刊誌で女性問題を報じられたエース涌井に、重い処分を下した。この日の練習前、飯田則昭専務が涌井と面談し、出場選手登録の抹消を通達。飯田専務は「いろんなことをあらためて考えてもらいたいということと、我々からもさまざまな立場から話していきたいと。1軍で試合に出続けながらというわけではなく、1度考える場所と時間というものを持ってもらおうという趣旨で、登録抹消を決めました」と明かした。

 事の発端は「フライデー」に掲載された記事だった。福岡・中洲のホステスAさん(24)が、涌井とかわしたメールや呼び出された先の札幌で、ともに過ごした一部始終を告白。ベッド上での寝顔写真やツーショット写真も同時に掲載された。シーズンオフの出来事であるとともに、涌井自身も独身で、法に触れることもなかったと主張するが、球団は野球人、チームのエースとしての品格を問題視した。

 飯田専務は相手方から接触があったかどうかについては言及せず。その上で「結果的にああいう姿の写真が出てしまった。プロ野球選手としてどう見せるのか、どう見えるのか、というのは非常に大切な要素。どうすれば、そういうふうにならないか、どういうふうに振る舞っていくかということについて、もう1度、彼とは確認していきたい」と話した。異例の決断の背景には、ファンに与える影響、球団、親会社へのイメージを憂慮するとともに、10年オフの契約更改での年俸調停など、長年積もった球団との溝も影響している可能性がある。

 守護神の離脱はチームにとって痛手だが、昇格時期については現段階では未定とした。球団としては、登録抹消以外の処分は行わない方針で、飯田専務は「彼が今どうすべきか、自分でどう思っているかも、聞いていかないといけないです」と再度の面談を行う意向を示した。渡辺監督は「後ろ(抑え)が不安定の中で、1枚いなくなるのは痛いが、今いるメンバーでやるしかない」と話した。週刊誌から端を発した騒動が、チームの構想を揺るがす大騒動に発展した。