中日の初代GMに就任した落合博満氏(59)が11日、オレ流復活で常勝軍団復活を誓った。名古屋市中区の球団事務所で就任会見を行った。監督退任以来2年ぶりの中日復帰で、谷繁元信選手兼任監督(42)の全面バックアップを約束。谷繁を名将に育てる青写真をはじめ、Bクラスに転落したチームを「沈没船」にたとえるなど落合節全開で「最後のご奉公」を誓った。
落合GM(以下落合)
このたび、白井オーナーの方からGMやれってことで、何とか一肌脱いでくださいということでGMを引き受けることになりました。まあ、2年ぶりってことでこれからどういう風にしていくかは新監督と話しながら、バックアップしていければ。現場はすべて監督に任せて表に出ることはほとんどない。あくまでも谷繁率いる中日ドラゴンズ。監督の要望にこっちがどうやって応えてやることができるか。いくら現場が頑張っても戦力を作れなかったということは私のところに責任がいく。
-中日復帰の感想は
落合
何をしていいのか。経験ありませんから。35年間この世界で生きてきてはいますけど、この仕事っていうのは初めてなので。まあ、いろんな人の知恵を借りながらいいものはいい、悪いものは悪い。方向性を間違わないように進めていきたい。
-谷繁捕手を兼任監督というのは落合氏の発案
落合
まあ監督っていうので話を持っていったら彼は受けていないでしょ。なんとか見えてきた野村さんの数字を抜きたい。それがあの現役選手谷繁を動かしてきた原動力だと思ってる。それを捨ててまで監督というのは受けてないんじゃないかなと思ってます。
-8年間の監督経験でGMを必要と感じたことは
落合
私はありません。白井オーナーにしても西川球団社長にしてもバックアップしてくれましたから。今度は谷繁を監督としてバックアップするのが、白井オーナーであり佐々木社長であり、そこにもう1枚落合という人間が加わったんだという風に思っている。
-具体的には
落合
これからやることがだんだん見えてきてそれを実行していく段階に移ると思う。今この場で申し上げることって言うのはちょっと軽はずみになる。
-チームを離れた2年間は
落合
いろんな情報入ってくるんですけど、ほとんど私野球見てません。なるだけ邪魔しないように。前にいた人間がちょろちょろちょろちょろすると現場っていうのはやりにくいもんですから。野球は見ないようにっていうのを心がけてやってきたんで、中日がどうの、セ・リーグがどうの、パ・リーグがどうのっていうのは私の中にはあまりない。
-人事のサポートは
落合
仕事からこちらである程度のことは決めて、一応こういうメンバーでどうだっていうのは話をして。当然、新監督としても入れたいメンバーがいるはずだし、そのへんをすりあわせてやっていかないといけない。まだ人事に関しては何も決まっていない。
-兼任監督は大変な負担
落合
逆に面白いんじゃないですか。そんなにこれを経験した人はいないんですから。やりがいのある仕事だと思います。
-谷繁監督について
落合
10年前ドラゴンズに来たとき、まだまだ伸びしろがある選手なんだなと思いながら、こいつを鍛え上げないとチームは機能しないだろうと。周りはみんなもう出来上がった選手と思ってた。このクラスの選手になると、誰も何も言わないだろうというところからの出発だった。退任会見の時に言いましたが、8年間の中で一番成長したのは谷繁かな。将来的に指導者になったら、いい指導者になるだろうなってことはいろんなところで言ってる。それが現実になった。やれるだけの器であり、人間性である。そう考えればいいんじゃないですか。
-指導者の資質は
落合
これはやってみないと分からない。やらしてみて初めて結果が出て。周りの人がどうだった、ああだったと評価されるんで。今そんなことを考える必要はない。俺の時も言われたけど、コーチ経験もない人間が監督なんてできるはずないって。それ以上に難しいポジションから監督として始まるわけですから、周りが彼をサポートしていくか。それも重要になってくる。たぶん一番ワクワク不安に思ってやってるのは新監督じゃないですか。
-一番買ってるところ
落合
一番は野球っていうのはみんな背を向けてやるんだけど、前を向いてるのは1人だけですから、そのポジションがキャッチャーですから。我々の知らないことを経験して学んできてるわけですから。それをどうやってチームに生かすか。考えればいいんだろうと思う。自分のやりたい野球をやってくれれば。それが一番の成功の近道なんだと思う。
-描くGM像は
落合
それはこれから話して何をしなきゃいけないのか。何を球団が求めているのか。そこからの出発。役割分担というのはこれからの話し合い。