球界の宝を育て上げるために、日本ハム栗山英樹監督(53)は手綱を緩めない。今日5日に20歳の誕生日を迎える大谷翔平投手に、1年目から続く外出時の「事前連絡義務」というルールが、今後も継続されることになった。指揮官は「まだダメ。心も体も、まだ大人になっていない。オレがダメと言ったらダメ」と厳しい言葉を並べた。

 当初は「20歳になるまでかな…」と話したこともあった。だが実際に「そのとき」を迎え、ルール継続が賢明と考え直した。投手では7勝1敗、防御率2・49、打者としても打率2割8分7厘、3本塁打、16打点と奮闘しているが、投打「二刀流」をさらに極めるためには、まだまだ公私にわたって管理することが必要と判断。厳しいことは百も承知だが「こんなもんでいいと思うなよ、翔平!」と、あえて突き放した。

 大谷はルールの有無にかかわらず、もともとあまり外出することもなく野球に集中している。自身の置かれた立場は十分に理解しており、同監督も「(同ルールが)あんまり苦になってないと思うよ」と見ている。

 この日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷で自主練習した大谷は「お酒は飲むかもしれないです。飲めるか分からないですけど…。たばこは吸わないですね」と、成人後の自分を想像。誕生日プレゼントで欲しいものを問われると「1勝がほしいです」と即答した。禁欲生活のようにとらえられがちな「外出ルール」だが、大谷には野球しか見えていない。【本間翼】