<阪神2-4ヤクルト>◇8月31日◇甲子園

 痛恨敗戦にも希望の1発だ。虎の主砲マウロ・ゴメス内野手(29)がヤクルト小川から豪快22号ソロをぶちかました。広島エルドレッドと並び、91打点はセ・リーグトップ。昨年失速した9月での大逆襲には、この男のバットは欠かせない。首位打者マートンとGMタッグよ、2日からのDeNA戦でも爆発してくれ!

 甲子園8月最後の花火が、虎党の希望になる。4番ゴメスの1発が、0行進を止めた。

 「第1打席、第2打席と初球にストライクがきていたからね。積極的にいこうと思っていたよ。完封負けとそうじゃないとでは違う」

 4点を追いかける7回1死走者なし。ヤクルト先発小川の初球だ。真ん中高めに浮いたカットボールを左翼スタンドまで運んだ。4試合ぶりとなる22号ソロ。打点は91を数えた。

 「マートンの記録に並べて光栄だよ。打点を挙げることが自分の仕事だと思っている。打点を挙げるチャンスはあるから、これからも頑張っていきたい」

 来日1年目のマット・マートン外野手(32)の91打点に並んだ。日本球界5年目の先輩マートンは「グッドプレーヤー!

 パピー(ゴメス)は人の話をよく聞くんだ。試合の中でも修正して結果を出してくる」と称賛する。積極的にアドバイスを求め吸収。29日にもマートンと頭をくっつけながらチャート表を見て、相手投手について議論を交わすシーンがあった。そのマートンとのタッグが、勝負の9月で大逆襲へのカギとなるのは間違いない。昨年チームは9月に6勝16敗2分けと大失速して力尽きた。だが、ゴメスはこの6連戦で3本塁打。6連戦で3発は来日初と状態が上がってきた。交流戦後では初となる3カード連続負け越しを喫したチームを奮い立たせるのは、この男しかいない。

 セ打点トップを走ってきた広島エルドレッドを、ついにつかまえた。この日、エルドレッドは出場選手登録を抹消された。打点王へ突っ走るだけだ。そして、逆転優勝へ。「明日(1日)は試合がないからリラックスして、明後日(2日)は新しい月だし気持ちを切り替えてね。3位から2位、1位にもなれる。一番上を目指したい」と前を向いた。まずは迫ってきたDeNAを打ち落とし、勝利へ打点を量産する。【宮崎えり子】

 ▼ゴメスが91打点目を挙げ、エルドレッド(広島)と並んでセ・リーグ最多。阪神の打者が打点王となれば、11年新井貴浩以来10人目。外国人では85、86年バース以来2人目。バースの来日は83年で、阪神の日本球界1年目外国人が打点王となれば初。またゴメスは阪神の来日1年目外国人打点2位の10年マートンに並び、最多の76年ブリーデン92打点にあと1と迫った。

 ▼同僚マートンは3割3分9厘でセ・リーグ打率1位を維持。阪神の外国人が首位打者となれば85、86年バース、93年オマリーに続き3人目。バースは85、86年に3冠王となっており、阪神の複数の外国人が同一年に打撃3冠タイトルを獲得すれば初となる。