左腕王国へ2人で25勝!

 中日大野雄大(26)と浜田達郎(20)の両左腕がそろって来季の目標に「2桁勝利」を掲げた。2人は21日、CBCテレビ「サンデードラゴンズ」に生出演。2年連続10勝中の左腕エースにとっては2桁は最低ラインで、もう1段階上の15勝をにらむ。浜田達も左肘の回復が順調で、中日では長らく達成できていない左腕アベック10勝へ期待がふくらむ。

 開幕投手にも意欲を示す大野は自覚たっぷりに話した。「来年はチームを引っ張る。引っ張っていけばついてくるものがある。2桁が目標ですが、2桁と言っても10勝ではダメです。15勝?

 そうですね」。2年連続10勝。左腕エースの肩書に定着した以上、もう1段、2段上を目指すのは当然だ。

 一方の浜田達も今季、プロ初先発初完封から5勝と2年目でブレーク。8月に左肘内側側副靱帯(じんたい)損傷で離脱したが、高い能力を示した。浜田は「キャンプインから捕手を立たせてしっかり投げたい。開幕に間に合わせたい」と復活ロードを思い描いた。

 2人は春のキャンプで同部屋だった。大野は後輩をこう評する。「長いシーズンを投げられる強さがある。中5日、中4日でも投げられる体を持っている。来年は1年間やってほしい」。故障明けで無理はさせられないが、順調に回復が進めば10勝は射程圏だ。

 強力投手陣の伝統を誇る中日だが、左腕のダブル2桁勝利は01年の野口(12勝)山本昌(10勝)までさかのぼる。近年ではチェン、雄太ら2桁到達はあっても、2枚そろっての10勝以上はめずらしい。「左が多くて悪いことはない。争いはもちろん増えると思う」と大野はうなずいた。

 山本昌、雄太のほか、ドラフト2位で浜田智博(22=九産大)新外国人ラウル・バルデス(37=前ブルージェイズ)前オリックスの八木ら先発候補に左腕がめじろ押し。大野&浜田達で25勝となれば谷繁兼任監督も“左うちわ”だ。【柏原誠】

 ◆中日左腕の10勝

 2人が10勝を挙げたのは01年が最後だが、今中慎二、野口茂樹、山本昌が君臨した90年代は左腕黄金期。90年に今中と山本昌がともに10勝すると93年にはダブル17勝。翌94年も山本昌19勝、今中が13勝。80年代は都裕次郎、杉本正が10勝しているが単独での到達だった。