今秋ドラフトの目玉、亜大・東浜巨投手(3年=沖縄尚学)が16日、勝負の春に向けて本格始動した。沖縄キャンプ初日にブルペン入りし、昨秋の右肘故障後初めて捕手を座らせて速球を30球投げ込んだ。「肘は万全です。完治している」と完全復活を宣言。1月30日に医師の投球許可を受け、2月9日から3勤1休で立ち投げを行い、ここでまたステップアップした。

 大事な2試合に向け気持ちは高まっている。3月10日に大学選抜の一員として東京ドームで社会人選抜と戦い、翌11日には亜大が沖縄セルラースタジアムで島袋洋奨(1年=興南)を擁する中大と対戦予定。震災復興支援を目的とした2連戦に、東浜は「連投も考えて調整します」と連続先発を視野に入れている。「10日に2回、11日には4~5回。それに合わせて調整しなさいと伝えてある」と生田監督の期待も大きい。

 その後の本番とも言える東都ラストイヤーにも悔いは残さない。大学3年間で通算26勝だが「1年から最低30勝と言ってきた。通過点にしたい」と過去11人しかいない30勝はあくまで最低ライン。その先には目標に掲げる春秋のリーグ制覇と全日本、明治神宮大会での日本一が待っている。本格始動を見守ったのは日本ハム、楽天、中日、ヤクルト、DeNAの5球団。運命の秋につながる、最後の春が始まった。【大塚仁】