<全日本大学野球選手権:亜大4-2八戸大>◇13日◇2回戦◇東京ドーム

 亜大(東都)は東浜巨投手(4年=沖縄尚学)が大学では自身最多の14奪三振で2失点完投した。

 やはり全国舞台は格別だ。亜大・東浜の直球は、面白いほど外角いっぱいにビシビシ決まった。「相手が外に目がついてってなかったので。14Kは、出来過ぎです」と積み上げた三振に驚きの声を上げた。8回以外毎回の14奪三振は、大学自己最多だ。最速は140キロ。昨秋右肘を痛める前より12キロ減ながら、緻密な制球で空振りを量産した。

 今春のリーグ戦では、打ち取る投球に専念した。しかし1点リードの3回、1年生野手の失策で同点に追いつかれたことでスイッチが入った。「1年生のミスは先輩がカバーしないと」。追い込むと三振を狙い、以降8回まで単打1本に抑えた。ただ9回、2死後に3連打で2点目を失った点は「三振取ろうと欲が出ました。1球の重みを知った」と反省を忘れなかった。

 今秋ドラフトの目玉とあって、ネット裏には日米13球団のスカウト部長、球団本部長クラスが集結。DeNA高田繁GMは「現状NO・1投手は間違いない。あれ以上は出てこないでしょう、ものが違う」と不動の最大評価を贈った。

 センバツで優勝した春以来、4年ぶりの全国大会のマウンド。甲子園でも神宮でも東京ドームでも、観衆が多いほど燃えるという。それはスターの資質かもしれない。「ぼくは野球が大好きなんで。人の多いところで自分の野球ができる、これ以上の幸せはないと思います」。東浜は最後に、こう添えた。【鎌田良美】