<明治神宮大会:桐蔭横浜大5-2大体大>◇11日◇大学の部準々決勝◇神宮

 大体大(関西5連盟第1代表)が横浜桐蔭大(関東5連盟第2代表)に逆転負けした。オリックス1位の松葉貴大投手(4年=東洋大姫路)が逆転3ランを浴び、初戦で姿を消した。

 大体大の松葉が雨に散った。スパイクにこびりつくマウンドの土を落としながら、懸命に投げ続けた。だが2-0の4回、安打と四球で招いた1死一、二塁。足場も制球も定まらないまま投げた直球を相手5番に右翼スタンドに運ばれた。この日が学生最後の試合になった。

 「実力は出しきったので悔いはありません。ただ出来るなら晴れた中で試合をしたかったなと」と天気を恨んだ。2年前の全日本大学選手権、大学の全国デビューも雨の中。自身初の2アーチを浴び、東海大にコールド負けした。昨秋明治神宮大会も東北福祉大戦でサヨナラソロを浴び、0-1で初戦敗退。「1発病がありますね」とくちびるをかんだが、被弾のたびに集中力、制球力を磨いた。チームの打撃投手だった左腕がドラフト1位になったのも、痛い経験を成長に替えたからだ。

 最高評価と引き換えに言い訳のきかない世界に飛び込む。開幕1軍、先発枠入りと高いハードルが待つ。8回2死一、三塁。学生最後のアウトを「一番こだわってきたまっすぐで」と145キロ速球で見逃し三振で取った。このストレートで生きて行く-。松葉の決意表明だった。【堀まどか】