WBC開幕を前に、日刊スポーツがパドレス・ダルビッシュ有投手(36)とエンゼルス大谷翔平投手(28)の対談を実現!? いや、違う。米国で活動するモノマネ芸人アキ・テリヤキが一人二役で扮(ふん)する「ミニビッシュ」と「ミニタニ」だ。12年からダルビッシュのモノマネをしながら追い続け、21年からは大谷にもなりきって昨季はエンゼルスの全162試合を現地観戦する快挙も達成。WBC日本代表のモノマネ軍団「ちょいまねジャパン野球部」とは違う、侍モノマネ界の二刀流が、鼻息荒く思いを語った。【取材・構成=鎌田直秀】

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ダルビッシュが大谷を出迎えた? いや、まだ日本に帰国していないはず。だが“2人”はお互いへの期待を言葉にした。

ミニビッシュ 大谷選手に期待するのは1つ。ずばりホームラン。この数カ月で一回りデカくなっていた。去年は打球がフェンス手前で失速してあと数メートル届かなかった時があったので、今年はそこを克服する気持ちを、体を見た瞬間に思った。メジャーリーガーも比じゃないくらいのパワーを見せつけてほしい。投手ではスピードある160キロのストレートでねじ伏せてほしい。ここ一番になった時のギアの入れ方が半端ない。気迫は球場全体に広がるパワーを感じる。

ミニタニ 代名詞と言われる多種多様な変化球。次世代へのメッセージとの意味でも、メジャーリーガーを三振にとる姿をみたい。

なりきるのは芸人魂だ。2人が初めて同じチームで世界一に挑む喜びと同時に、2人のモノマネをしてきた集大成の思いもある。

ミニビッシュ 正直、僕が一番近くで2人を見てきたと自負出来ると思うんです。ダルビッシュ選手はメジャーに行ってからずっと見てきたし、モノマネもしてきた。12年目に突入です。

ミニタニ 去年はエンゼルスの162試合すべてを現地観戦し、大谷選手の一挙手一投足すべてを見てきた。ホームだけ全試合とかはいますけれど、全米全部まわって観戦したという人は聞いたことがない。WBCでダルビッシュ選手と大谷選手が同じチームになる。まさか自分の活動がここで重なるとは。もちろんうれしいんですけれど、本当に? って現実が見えていない。たぶん試合が始まったらずっと鳥肌がたつんじゃないか。これ以上ないお膳立て。ダルビッシュ選手から大谷選手への継投とかあったら。あの2人が交わることは奇跡の2ショットです。間近で見られるというのは一生の宝物になる。

ミニビッシュ 日本で芸人をやっている時に「ダルビッシュに似ているね」って言われて、意識はしていた。最初はユニホームを着て、似せるだけ似せてキャンプに行ってみようと思ったんです。行ったら日米含めて取材陣が約200人。めちゃくちゃ取材を受けて、これしかないと。

ミニタニ 大谷選手の二刀流が開花した21年に何か出来ないかと思った時に、知恵を絞りきったあげく。モノマネ界の二刀流、いっちゃうしかないと。でも似てないじゃないですか。ヤバイ、どうしよう…。お面かぶりました。ハハハ。エンゼルスのユニホームを着て球場に行ったら、思いのほか球場でウケて、現地のテレビ局がさっそくミニタニという変なやつがいるぞとパフォーマンスを全米に放送してくれて。シーズン終盤はお面をかぶらなくても「ミニタニ」と呼ばれるようになった。

ミニビッシュ 正直、ダルビッシュ選手に、きちんとごあいさつさせていただいたことはなくて。毎年キャンプに行っているので、存在は知っていただいていると思うんですけど。

ミニタニ 実は、大谷選手とは話したことがあるんです。日本ハム時代の16年アリゾナキャンプで、グラウンドから宿舎まで歩いて帰っていたんです。けっこうノーガード。大谷選手に、いつも使っているミニボールに「サインください」と言ったら「ちっちぇえ~」って言いながらサインしてくれて。ミニビッシュの格好だったので、存在はその時に知っていただいたというのはあって…。まさか、あの時のあいつが、オレにまで手を出してくるとは思っていなかったでしょうね。エンゼルスでもサインをもらったことはある。22年のキャンプ中に子供に交じって、お面はかぶらずに(笑い)。

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◆アキ・テリヤキ。茨城県出身。米ロサンゼルス在住。モノマネ芸人&ユーチューバーとして活動し、ダルビッシュ有の「ミニビッシュ」、大谷翔平の「ミニタニ」のほか、DA PUMPのISSAのモノマネ「ChiSSA(ちっさっ)」も有名。日米のテレビ出演多数。昨季は日本のテレビ局でエンゼルス大谷の現地リポーターとしても活動。身長159センチ、体重54キロ。靴のサイズ25・5センチ。