新型コロナウイルス感染症拡大防止により、緊急事態宣言が発出された。各業界に影響がおよぶ中、ボクシング界も直撃している。

その中で元世界3階級世界王者の亀田興毅氏(34)が会長となった「3150ファイトクラブ」が22日に大阪・豊中で初興行を行った。当初は5日にエディオンアリーナ大阪で予定していたが、コロナの影響で延期。しかし、興毅会長は「調整が大変な中でも必死に練習に取り組んできた選手たちの成果を披露させてあげたい。万全の感染症対策を実施した上で無観客試合で行うことになりました」と実施に踏み切った。

興毅会長の発信力、行動力への期待は大きい。元3階級世界制覇王者の長谷川穂積らを育てた真正ジムの山下正人会長(59=西日本ボクシング協会会長)は「発想力もあっておもしろい。若くて行動力もある。今後が楽しみ」と期待する。実際に合同で興行も計画し、実施している。

「コロナ」が直接的な原因となっているが、ボクシングの興行も岐路にたっているといえる。従来通り、会場をおさえて切符を売って人を呼び込む。テレビの地上波も、ビッグイベント以外はなくなってきた。その興行形態が持続できるのか、今回のコロナ禍は現実を見せつけてきた。

興毅会長は、その「現実」に立ち向かっている。ABEMATVとの提携など、「見せる」形を模索している。日刊スポーツのウェブサイトにおいても、ボクシングやバトル関連の視聴率は高い。関心が高いコンテンツをいかに見せるか。メディア、そして発信する当事者も思考をこらしている。

その中で多くのチャンネルを興毅会長は駆使しようとチャレンジしている。まずは選手。育てていく中で、どう発信していくか。現代において視聴者層は日本に限らない。「世界」を見据えた戦略を興毅会長は考えている。【実藤健一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

亀田和毅の試合を見守る兄で3150ファイトクラブの興毅会長(2021年5月22日撮影)
亀田和毅の試合を見守る兄で3150ファイトクラブの興毅会長(2021年5月22日撮影)