ボクシングのヘビー級王者らしい豪快さがいい。WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(33=英国)は派手な話題に事欠かない。9日(日本時間10日)に前王者の同級1位デオンテイ・ワイルダー(35=米国)との3度目対決で両者合計5度のダウンという激戦の末、11回KO撃破。因縁決着させた約3時間後だった。試合開催地の米ラスベガスで妻のパリ夫人(31)らと大勢のファンとともに午前3時まで盛大な祝勝パーティーを開いていた。

英メディアによると、ラスベガスMGMグランド内の巨大ナイトクラブに大勢のファンとともに集結。親交ある有名音楽プロデューサーのスティーヴ・アオキ氏(43)のDJに合わせ、DJブースに入って上半身裸でエアギターを“演奏”し、ボクシングステップを使って踊りまくっていたという。1本800ポンド(約11万2000円)のウオッカを飲みながら「オレは歴史上の誰にでも勝てる。今夜は酔わないといけない」と宣言し、集まった大勢のファンととも初防衛成功に酔いしれたそうだ。

資産もド派手だ。英メディアによると、20年2月の段階で7000万ポンド(約98億円)と見積もられていた。さらに今回のワイルダーとの3度目対決のファイトマネー最低保障金は2200万ポンド(約30億8000万円)と報じられている。さらにPPV収益の60%も獲得するようで、フューリーの資産は100億円を超えるとみられる。

米プロレスWWEとの「コラボ」も収入増&ファン拡大を呼んでいる。19年にWWEに参戦し、同10月のPPVクラウンジュエル大会(サウジアラビア)でブラウン・ストローマンと対戦。この1試合のファイトマネーは1200万ポンド(約16億8000万円)と報道されている。今回のワイルダーとの3度目対決の入場時には、WWEヘビー級王者ビッグEの選手紹介動画が放送された。また次々とWWEレスラーが公式SNSなどで応援コメントを寄せるなど、今後のコラボも期待させた。

リングで強さを証明することが大前提だが、ヘビー級の世界王者としてリング内外で「派手さ」「豪快さ」を持つフューリー。今後もヘビー級の中心として話題を提供してくれそうだ。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)

DJスティーヴ・アオキ氏(右)とDJブースに立ったWBC世界ヘビー級王者フューリー(ハッカサンナイトクラブ公式インスタグラムより)
DJスティーヴ・アオキ氏(右)とDJブースに立ったWBC世界ヘビー級王者フューリー(ハッカサンナイトクラブ公式インスタグラムより)