春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)が近づくにつれ、アマチュア相撲で実績を残した有望力士が続々と大相撲入りを表明している。

高校横綱の齋藤大輔が八角部屋、中学横綱の吉井虹が中川部屋…。その吉井に全国中学校体育大会(全中)の決勝で敗れ、準優勝だった大辻理紀(15)は高田川部屋に入門する。

177センチ、130キロの堂々とした体格は、中学生の中でも目を見張る。2月11日に東京・両国国技館で行われた白鵬杯。中学生の部で準決勝で敗れた大辻は「今回は悔しかったけど、今度はプロで頑張ります」と前向きに話した。

報徳学園中で大辻を指導した小寺貴之監督(34)は「教えたことをすぐ自分のものにできる。相撲のセンスがある」と話す。関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)の母校で、同校相撲部の稽古では伝統的に「押せ」ではなく「起こせ」と指導するという。小寺監督は「最初に指導してから、すぐに起こすような押しができていた。プロでも活躍してほしい」。吸収力の高さに太鼓判を押し、大相撲での活躍へエールを送った。

母の真理子さんは病気で視力が低下しており、大辻も「早く家族に活躍を見せたい」と意気込む。新弟子検査は3月2日で、春場所で前相撲デビューする。「将来的には横綱を目指したい」と、早々に出世して、家族に勇姿を届ける。【佐藤礼征】 (ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)