愛くるしい顔立ちとつぶらな瞳に、うっとりが止まらない。22年2月に新設された押尾川部屋にいるオスのパグ「ブッチ」が、稽古に励む力士たちを和ませている。
師匠の押尾川親方(元関脇豪風)から部屋の“広報部員”に抜てきされ、同部屋のSNSにもたびたび登場する。生後10カ月ほどとまだ小柄だが、その存在は既に部屋に欠かせないものとなっている。
同親方は「ペットを飼うことを決めたのは、息子と娘の教育のためなんです。生き物を飼うことを通して、命の尊さを学んでほしいなと思っていました」。名前の由来は長女が以前大切にしていたぬいぐるみからで、それになぞって同じ名のブッチと付けた。普段は部屋の上階にある押尾川親方の自宅で飼っているが、稽古終わりの食事時になると下に降りて力士たちと触れ合うことも少なくない。部屋頭で幕下の矢後(28)も「僕らも戯れて、安らいでます」とメロメロだ。
ブッチの存在について、押尾川親方は「部屋のマスコット犬として、地域の人たちに相撲部屋を親しんでもらえることにつながる」と期待を寄せる。ペットは飼い主に似るというが、ブッチの顔もどことなく笑った親方に似ている気がする。愛くるしいマスコットの存在で、部屋の雰囲気が一層明るくなっていた。【平山連】