WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が7日(日本時間8日)、9日(同10日)の6度目の防衛戦に向け、市内のホテルで行われた公式会見に臨み、挑戦者の同級7位アントニオ・ニエベス(30=米国)と対面。本場でのアピールに自信をみせた。

 「イノウエ」の米国上陸を目の肥えた現地取材陣はどう見るか。「ゴロフキンが米デビューした12年の状況と同じだ」と、現ミドル級3団体統一王者の名前を挙げたのは、米国で最も権威ある専門誌「リングマガジン」のテレビで解説を務める、スティーブ・キム氏。ウクライナの英雄は欧州で衝撃のKO劇を続け、大きな期待とともに渡米し、現在はボクシング界の顔役となった。同氏は「英語をしゃべれない人でも、観客を楽しませられる。ボクシングが言語だ」と、なぞらえる。

 アマ時代から井上に注目してきたのは著名コラムニストのデビット・アビラ氏。取材歴30年以上の眼力は、「たくさんのウエポン(武器)がある。スピード豊かで米国のファンを驚かすだろう」と評する。

 キム氏は、先も見据える。「他の日本人と違い、若くして米国に来た。人気を作る時間が十分にある」。近年米国で戦った日本人王者、西岡、三浦は30代を超えていた。井上はまだ24歳と若さも好材料とした。