ボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が来年2月4日、故郷の沖縄県立武道館で同級10位の元2階級制覇王者モイセス・フエンテス(30=メキシコ)と2度目の防衛戦に臨むことが26日、発表された。沖縄での世界戦は81年3月8日に師匠・具志堅用高会長(62)が14度目の防衛に失敗して以来、37年ぶり。都内で会見した比嘉は「来たなあ、この時がと。倒すことが大前提。面白い、圧倒的に勝つボクシングをみせたい」と気合を入れた。

 36年前、地元・沖縄でフローレス(メキシコ)に12回KO負けした苦い記憶が残る具志堅会長は「私がタイトル(WBAライトフライ級王座)を失ったところが沖縄。沖縄を元気づけたいので開催を決めました」と明かし、弟子に“リベンジ”を託した形だ。比嘉は「ここで勝てなかったら何の意味もない。自分が勝つことを考えて集中したい」と口元を引き締めた。

 14年6月のデビューから14連続KO勝利中。KO防衛すれば、同じ沖縄出身の元WBC世界スーパーライト級王者浜田剛史(帝拳)らと並ぶ日本記録。「あと1回、KOで勝てば浜田さんと並ぶ。2つ勝って更新したい。まず目の前の試合でKOです」。沖縄出身の2人の先輩王者の思いを胸に、比嘉は凱旋(がいせん)試合に臨む。【藤中栄二】