埼玉県新座市をPRしようと、「新座宏」のリングネームで活動する同市職員のプロボクサー渡辺宏さん(36)が2日夜、東京・後楽園ホールで負ければ引退の大一番に臨み、日本ランカーの選手に6回TKO勝ちした。日本のプロボクサーは原則37歳が定年。渡辺さんは8月に誕生日を迎えるが、定年規定の対象外となる日本ランク入りが確実となり、現役続行できる。

 相手は金井隆明選手。試合では押される場面もあったが、最後は連打でコーナーポストに追い詰めた。同僚や並木傑市長らが応援に駆け付けた会場は「ひろし」コールに包まれた。試合後、渡辺さんは「声援が力になった。今後はランキング上位を目指したい」と話した。

 大学でボクシングを始めた渡辺さんは、大学院時代の2005年にプロデビュー。一度引退したが、14年に当時の市長の許可を得て再びプロテストを受け、合格した。ファイトマネーの一部を市に寄付し、「新座市」の文字が入ったボクサーパンツでリングに立つなどPRに努めてきた。

 日中は危機管理課で防災行政無線の管理などを担当。仕事の後、週5~6回、所属する都内のジムでトレーニングを積んできた。