ボクシングで5階級制覇したフロイド・メイウェザー(41=米国)が、キックボクシング界の「神童」那須川天心(20)を瞬殺した。

すったもんだの末に実現した平成最後の大みそか決戦。メイウェザーは1回に3度ダウンを奪って、レフェリーストップ。1回2分19秒TKO勝ちした。50勝(27KO)の無敗で引退まで世界最強といわれた実力を見せつけた。

メイウェザーはマスク姿で入場すると、リングから笑顔を振りまいていた。ゴングが鳴っても笑いながらのファイト。チョンチョンと手を出しながら前に出てきた。そして、右ストレートが那須川のボディーをかすると、早くもダウンを奪った。

那須川にダメージはなさそうに見えたが、メイウェザーは仕留めに行く。ガードを固めて出ていき、右フックで2度目のダウンを奪った。再び立ち上がってきたが、左フックで3度目のダウンを奪うと、レフェリーが試合を止めた。

身長は8センチの差、体重は前日計量時点で4・6キロ差あった。この日になって、2オンス差のグローブハンディがルールとなった。4階級差の違いは大きかったが、メイウェザーのスピード、パンチも格が違った。抜群の防御技術でかわしきるとも思われたが、一転してスピードであっさりと仕留めた。

メイウェザーはリング上でインタビューに答えた。「エンターテイナー性をみんなに楽しんでもらうことを考えていた。実現できてうれしい。これはエキシビション。私も天心も無敗の王者。彼はすばらしい格闘家だ。RIZINは世界最高」と叫んで、笑顔でリングを下りた。