団体の垣根を越えた夢のタッグマッチが馬場さん追善興行のメインを飾った。

新日本のエース棚橋弘至(42)がヨシタツ(41)と組み、5年前の幻のタッグチーム「ザ・ワールド」を再結成。対するのは3冠ヘビー級王者で全日本エースの宮原健斗(29)、かつて馬場さんも巻いた世界タッグ王者で大日本の顔、関本大介(38)。

65年前、日本で初めて本格的な興行が行われた「プロレスの日」に、各団体のトップが激突した。20分超の激闘を制したのは宮原。ヨシタツをシャットダウン式スープレックスホールドで沈め「ありがとう両国!」と絶叫した。試合後は「プロレスは最高ですかー」と観客をあおり、棚橋とともに「プロレスを最高に、愛してまーす」と叫んで、締めくくった。

試合後、棚橋は初対戦の宮原、関本を絶賛した。宮原を「宝」と表現し「人間が持っているハートの部分で屈託がない。明るい光を放っている。昔の棚橋、いや僕を超える素材」とほめちぎった。関本についてもラリアット、逆水平などの技術をたたえ、「関本選手対新日本プロレスの選手、ぜひまた何らかの形でつながっていけたら」とラブコールを送った。

かねて棚橋をリスペクトしてきた宮原はこの日の輝きでは「負けてない」と胸を張りながらも「やっぱりカリスマ性が違う」とすごさを実感。「僕としては唯一追いかけたい背中。今日当たれたことに何かプロレスの神様が与えてくれた意味があると思う」と語った。棚橋から対抗戦の誘いを受けた関本は「大日本をもっと大きくしたい気持ちがあるので、チャンスがあれば殴り込みたい」と対決実現に意欲をみせた。