全日本プロレスでデストロイヤーさんの教えを受けた渕正信(65)は「一番あこがれたレスラーでした。力道山時代から、ジャイアント馬場、豊登、アントニオ猪木と試合をやって、日本で最も有名な外国人レスラーでしたけど、若手に慕われていた」としみじみと話した。

デストロイヤーさんからは、練習方法や足腰の鍛え方、坂道ダッシュなど、プロレスの基本以外にもいろいろと教えを受けたという。

地方巡業では、7月11日のデストロイヤーさんの誕生日には、渕や大仁田厚が中心となりみんなでお金を出し合いケーキを買って、ホテルの一室でお祝いしたという。「一緒にハッピーバースデーを歌って、デストロイヤーさんもすごく喜んでくれた」という。

当時、渕の実家があった北九州にも遊びに来てくれたという。「2回ほど、ボクの家に来てくれて。近所の人がたくさん集まって大変だったんだよ」。

これまで、3回シングルで戦ったことがある。「全部ボクの負けだったけど、練習でやっている4の字と、試合でやる4の字は痛さが違っていた」と振り返った。

最後に会ったのは11年に東日本大震災後に行われた日本武道館大会。バトルロイヤル戦の立会人として参加し、息子のカート・ベイヤーとデストロイヤーさんと3人で、リング上で記念写真を撮ったという。「『渕、久しぶり』と声をかけてもらった。足腰が弱っていたが、元気そうだったのに。すごくいい人でした。ご冥福をお祈りします」と話していた。