ボクシング元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏(36)の冠大会が開催される。主催するDANGANが12日に都内で、山中慎介バンタム級トーナメント(仮称)の開催を発表した。優勝賞金100万円を国内のA級8選手で争う。

東京・後楽園ホールで予選は6回戦で7月23日、10月の準決勝から8回戦で、来年1月に決勝となる。優勝者には世界ランカーと対戦のチャンスを与える計画という。5月15日まで出場者を募集し、現王者の出場にも制限はない。

DANGAN古沢代表は「日本の歴史ある階級で、若手を育成し、ファンも注目するよう、ボクシングを盛り上げていきたい」と開催理由を説明した。同級の名王者の象徴として、同級国内最多の12度防衛した山中氏をアンバサダーに迎えた。

山中氏も現役時には07年にA級トーナメントで優勝して、日本王者、世界へとステップアップした。「あれは大事なトーナメントになった。思い入れある階級でもあり、開催はうれしい。注目されて人気につながれば」と話した。大会を盛り上げるために、開会セレモニーなどのアイデアも提案している。

近年は競技人口が減少し、マッチメークが難しくなっている裏事情もある。アマ実績のある選手は国内で敬遠され、外国人しか相手がいない例が増加している。古沢代表は「トーナメントだと選手も開き直れ、選手も集まりやすい。どしどし応募して」と話す。

組み合わせはランクと戦績などを考慮するが、抽選のプランもあり、応募が8人を超えた場合はリザーブ戦も想定しているという。山中氏も「この階級は今国内で抜けた選手はいない。面白い大会になるはず。世界の登竜門になれば」と期待した。