ボクシングWBA世界ライトフライ級2位木村翔(30=青木)が、中国ファンに2本目のベルトと言葉で感謝を伝える。26日に中国江西省撫州市で王者カルロス・カニサレス(26=ベネズエラ)に挑戦することが、14日に都内で正式発表された。

WBO世界フライ級王座に続き、再び中国で海外奪取となれば、日本人2階級制覇で初となる。今やホームとなった中国のファンに、勝者インタビューでは中国語でお礼するつもりだ。

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木村は人気の中国で5試合目となる。再起戦も日中対抗戦で中国側の赤コーナーだった。今回の陥落から9カ月での世界再挑戦も、中国プロモーターの支援で実現した。「ありがたい限り。最初はすごいアウェーだったが、今やアウェー感なくホームに感じる」。

中国ファンへの感謝は、リング上での戦いとメッセージで示す。「今回は勝ってリングから中国語であいさつしたい。なんて言おうか、考えている」。中国語で2階級制覇御礼となれば、また人気は上がるはず。

世界初挑戦時に五輪連続金で英雄といわれた王者鄒市明を倒して、卓球の福原愛さんと同レベルの人気者になった。昨年は王座陥落も国内年間最高試合の激闘。中国での評価は落ちることなく、今もジムに中国人女性がサインや写真を求めてやって来る。

今回はダブル世界戦で、メインは地元出身で中国人3人目の王者徐のV1戦となる。人気のサッカーやバドミントンをずらして、セミの木村戦から中国全土にテレビで生中継される。

日本人初の海外で2階級制覇へは「正直興味ない。もう1度ベルトを巻くのが目標」と王座奪回だけに集中する。階級を下げての挑戦も、元々はライトフライ級。「フライ級は楽すぎた。元に戻し、ちゃんと減量するだけ」と不安はない。

カニサレスは16年に田口のV5戦で世界初挑戦で唯一引き分けた。いまだ無敗を誇る王者にも、木村は「黒星をつける。負ける気がしない。11回には倒したい」と自信満々だった。【河合香】