井上-ロドリゲス戦をリングサイドで視察した5階級制覇王者のWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)は、WBA世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)との決勝を待っていた。

リングだけでなく、会見場にも姿をみせて井上と健闘を誓い合った。「お互いに同じことを思っていた。誰が決勝へ行くかという話になれば彼は必ずボクの名前を挙げ、自分も彼が決勝に勝ちあがると。最高の戦いをみせたい」。経験豊富な王者は風格を漂わせた。

11年2月、長谷川穂積をKOしたWBC・WBO世界バンタム級王者モンティエル(メキシコ)を左フックで失神KOさせ、アジア初の4団体制覇を達成。「フィリピンの閃光(せんこう)」の名が一気に世界中に広がった。その後、メイウェザーと並ぶ5階級制覇まで成し遂げた。36歳のベテランでもあるため「多くの人がボクが終わったと思うが、自分は負けない。真の戦士だ」と自信を示した。

日本通で知られ、何度も来日している。決勝の開催地にも「それは関係ない。大事なのはすべてを出し尽くすこと」と拠点を置く米国以外でも前向きな姿勢。6階級制覇王者パッキャオの後継者とも言われたドネア。決勝は世界が誇るアジアの盟主を継承する戦いにもなりそうだ。