飯伏への挑戦権獲得まであと1勝とした。ニュージャパンカップ準決勝で鷹木信悟(38)が、EVILを破り、初の決勝に進出した。大会中に発生した地震で約30分の中断。応援してくれたファンにマイクを取り「最後まで観戦してくれて感謝している」と気持ちを伝えた。

セコンドのディック東郷の邪魔に苦しんだが、気合とパワーで耐え切った。スポイラーズチョーカーで東郷に首を絞められたが、自力で脱出し、2人まとめて両腕ラリアットをさく裂。最後はパンピングボンバーからのラスト・オブ・ザ・ドラゴンでEVILを沈めた。

1月末にNEVER無差別級のベルトを失い、この大会に照準を合わせてきた。1回戦からオカダ、後藤、KENTA、EVILと実力者との戦いを制した。「肉体的にはしんどいが、精神的にはとんでもなく充実している」。決勝の相手はオスプレイ。鷹木が新日本に来て、シングルで初めて敗れた因縁の相手。試合後にリング上で襲撃されたが、うまくかわし、場外に葬り去った。「空気読めないヤツは俺が成敗してやる。お前が今必要なのは、栄光ではなく、挫折だ」と言い放った。

優勝すれば、世界ヘビー級初代王者・飯伏への挑戦権を手にする。3月4日に飯伏の要求が通り、IWGPヘビー級と同インターコンチネタルの2冠が統一された。「あいつの言っていることは伝わってこない。ベルトは何を持つかじゃなく、誰が持つかで価値は変わる。世界最強最高のIWGPの名がついているなら文句ない。そこを目指すだけだ」。最後も鷹木らしく泥臭く暴れ回って頂点に立ち、飯伏の前にたどり着く。【松熊洋介】