2つのベルトの最後の日に有終の美を飾ることはできなかった。

IWGP世界ヘビー級初代王者の飯伏幸太(38)が、ウィル・オスプレイとの前哨戦で連敗した。4月4日両国大会で初防衛戦を戦う相手に、この日は力勝負でぶつかった。顔を踏み付けられ、蹴りを浴びせられる屈辱を味わったが、ムーンサルトやエルボーで応戦。それでも最後はコブに押さえられ、オスプレイにストームブレイカーを食らう本間を助けることができなかった。

30日に新設された世界ヘビー級ベルトの贈呈式が行われ、これまでのIWGPヘビー級と同インターコンチネタル(IC)のベルトが返還される。1月4日に2冠王者となってから、肌身離さず持ち続けてきた2本のベルトもこの日が最後だったが、勝利して持ち帰ることはできず。逆にオスプレイには「俺がナンバーワンの座につく。両国で俺が描くプロレス界の未来を見せてやる」と自信を与えてしまった。

自ら宣言し統一したベルトだけに思い入れは強い。1月5日から、ホワイト、SANADA、内藤(ICのみ)、デスペラードと勝利し、ベルトを守った。「2つの歴史を残したまま、統一させたい」。反対する選手もいる中、自分の意志を貫き続け、実現させた。30日はタイトルマッチに向けた最後の前哨戦となる。「新しい新日本プロレスを(作る)。だから絶対に負けられない」。新しいベルトを受け取り、覚悟を持ってリングに上がる。【松熊洋介】