格闘家の朝倉未来(28)、海(27)兄弟がアドバイザーを務める総合格闘技イベント「BreakingDown」が4日に東京・トライフォース赤坂で開催される。

もともとは5月9日の予定だったが、コロナ禍により延期となっていた。「1分×1回」のアマチュア選手中心の戦い。メインでは人気ユーチューバーのシバター(35)とロシアの軍隊格闘術「システマ」を操るお笑い芸人のみなみかわが対戦するなど、19試合が行われる。

シバターは昨年大みそかのRIZIN26大会でHIROYAに勝利。試合動画の再生回数は朝倉兄弟や那須川天心の試合よりも多く、RIZIN榊原CEOも「実力もそうだが、人気もすごい」と脱帽するほど。3月ごろに朝倉未来からオファーを受けたというシバターは「芸人さんだしね。俺が10秒で倒してしまってもしようがないでしょ」などと余裕を見せる。

システマという、痛みを感じない呼吸法を身に付けているみなみかわは、TV番組などで殴られたり、蹴りを食らってもまったく表情を変えず、耐え抜く強靱(きょうじん)な肉体を披露。3月にはプロレス団体DDTの青木と対戦し、フォール勝ちを収めた実績もある。一流格闘家との練習経験もあり「朝倉未来のミドル、那須川天心のヒジ、武尊のカーフキックも受けたことがある。他に経験している人いますか? うその武術じゃないことを証明するいい機会」とこちらも引かない。

わずか1分の戦い。シバターは「防御に全振りしているわけでしょ? 基本ブロッキングで(笑い)」と相手にしない。過去に1分でネタを披露するお笑い番組「レッドカーペット」に出演経験もあるみなみかわは「相手はユーチューバーでたれ流ししているだけ。時間の感覚はないと思う」とあおった。

2月の発表会見で朝倉未来は「路上のけんかでも1分以上はできない。1分×1Rでいいのかなと。体力の計算がないのでおもしろい」と魅力を語っている。普段から格闘技界を盛り上げたいと裾野を広げる活動を行ってきた朝倉未来だけに、今大会にも「日本選手が強くなっていくこと。長続きするような大会にしたい」と意気込む。いずれは相撲界や柔道界などからの参戦も検討中。RIZIN出場や海外に挑戦する選手の発掘も夢見る。最強の男を決める超短期決戦の戦いがいよいよ幕を開ける。【松熊洋介】