昨年12月に新弟子テストに合格し、今年4月に道場入りした大岩陵平(22)と藤田晃生(19)がデビュー戦で対決し、激しい戦いを繰り広げた。10分時間切れ引き分けとなったが、最後まで気持ちがぶつかり合った熱戦となった。

ゴング直後から激しいバックの取り合いを見せた。藤田がヘッドロックで捕らえれば、大岩はアキレス腱固めで足を攻め、逆エビ固めで追い詰めた。雄たけびを上げ、鬼の形相でギブアップを迫る。解説を務めていた真壁は「負けん気の強さが出ている。将来有望」と絶賛した。

まだ荒っぽい部分はあるものの、学生時代に身に付けたレスリング技術と、道場で学んだ新日本プロレスの技をリング上で出し尽くした。2人とも引き分けに納得がいかず、試合後は額を突き合わせてにらみ合うシーンも。大岩は「新日本のプロレスラーになるのを目指してきたけど、同期の藤田にも全然かなわなかった」と肩を落とし、藤田も「満足できることは何一つない」と悔しさをあらわにした。

若手レスラー「ヤングライオン」の辻、上村が今月から海外に遠征。今年2月にデビューした中島(現在負傷欠場中)に続き、新日本に強力な若手選手が加わった。2人はこの日を含め、4日連続でシングルマッチを行う。「明日(25日)こそは勝ってやる」(大岩)。「自分の目標は1番になること。先輩たちを倒して自分の価値を上げていきたい」(藤田)。先に初勝利を挙げるのはどちらか。25日の第1試合も注目だ。【松熊洋介】

◆大岩陵平(おおいわ・りょうへい) 1998年(平10)11月7日、愛知県生まれ。中学から大学までレスリング部。18年にJOCフリースタイル86キロ級で3位。180センチ、90キロ。

◆藤田晃生(ふじた・こうせい) 2002年(平14)7月14日、愛媛県生まれ。高校3年間、レスリングに打ち込み、19年にJOC中国・四国大会80キロ級で優勝。178センチ、90キロ。