「浪速のロッキー」と呼ばれた元プロボクサーの俳優赤井英和(62)の長男英五郎(26=帝拳)がプロデビュー戦で1回TKO負けを喫した。

同じくデビュー戦の岡村弥徳(23=八王子中屋)との東日本新人王ミドル級予選で拳を交え、1回2分24秒、レフェリーストップによるTKOで敗れ、プロ初陣を飾ることはできなかった。

試合開始から岡村のワンツーなど連打を被弾すると、後手に回った。左フックで局面打開しようとしたものの、手数と連打で攻め込まれ、最後は防戦一方となってレフェリーに止められた。赤井は「プロのリングに上がるだけで、満足していないし、勝ちたかった。申し訳なかったです。自分も、周りもショックを受けていると思います」と涙をこらえながら振り返った。

プロのリングは上がった直後から緊張感が張り詰めてきたという。「守りばかり考えてしまった。あっという間で、もう少し試合したかったが、レフェリーに止められたのは仕方ない。今日は大きいのを狙いすぎた。相手が普通に強かったと思います」と完敗を認めた。入場時は父と同じ「ロッキーのテーマ」の新バージョンでリングに向かった。リングサイドには父英和ら家族が見守る中でのプロデビュー戦だった。

父英和と試合後に会い「試合に対して一から練習して頑張っていこう」と激励されたという。赤井は「過ぎたことは仕方ない。(小山和博)トレーナーにも申し訳ない気持ちです。もう少し頑張りたいです」と気持ちを奮い立たせていた。