ボクシングIBF世界スーパーフェザー級3位尾川堅一(33=帝拳)がIBF世界同級王座決定戦を争う同級2位アジンガ・フジレ(25=南アフリカ)とのフェースオフ(にらみ合い)を展開した。27日(日本時間28日)に米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で同王座を懸けて拳を交えるフジレとともに24日(同25日)には同地でそろって会見に臨んだ。

興行を主催する英プロモート大手マッチルーム社のエディ・ハーン社長の持つIBFベルトを挟み、堂々とした顔つきでフジレと目を合わせた。既に前日の公開練習で顔を合わせている相手だが、尾川は「特にどうということはありませんが、時差ぼけでもあるんですかね、少し元気がないように感じました」との印象を口にした。

会見ではハーン氏から同級のWBC王者オスカル・バルデス(メキシコ)やWBO王者シャクール・スティーブンソン(米国)ら王座獲得後の王座統一戦について問われた。尾川は気持ちを引き締めながら「まずはタイトルを取ってからです。このタイトルっていうのは僕にとっても、応援してくれる全ての人たちにとっても重要なので、まず取ってから統一戦に進みたいです」とキッパリ。

フジレ戦に集中している姿勢を示した尾川は、南アフリカ-日本による世界戦がスポーツの殿堂と言われるMSGで開催されることについても問われた。「日本に対して、というのはあまり意識していなくて、こうして試合を組んでくれたことに感謝していますし、自分自身が興奮しているというところです」と気持ちの高揚感を口にした。

さらに同日は昼から、宿泊ホテルからほど近いチャーチ・ストリート・ジムで約1時間半の練習を消化。尾川は「昼の練習は今日も良い感じで動けました、だいたい1時間半くらい、動き自体も良かったと思います」と自ら及第点。現地入り後、初めて公式計量用の体重計に乗ったとし「減量も予定通りです」との順調な調整ぶりをうかがわせた。

今回の会見は試合会場となるMSGのHuluシアターの入り口で行われた。尾川は「会場の中に入れば気持ちももっと盛り上がるんでしょうね。日本人としてこの会場で日本人(世界戦)初勝利を挙げて、これからの後輩につなげたいという気持ちもあったのですけど、うまく言えませんでした、やっぱり英語はしゃべれた方がいいですね」と苦笑いしていた。