プロ野球元西武投手で格闘家の相内誠(27)が27日、格闘技転向2戦目で待望の初勝利をKOで飾った。

RIZINファイター朝倉未来(29)海(28)兄弟がスペシャルアドバイザーを務める1分1回の総合格闘技大会「Breaking Down(ブレイキングダウン)」の第3回大会に出場し、セミファイナルとなったフェザー級(66キロ以下)の立ち技ワンマッチで、キック歴3年の柴田海都(SEED GYM)と対戦。序盤から鋭い打撃を披露し、最後は25秒、強烈な右ストレートで沈めた。相手は試合後もあおむけになって動けず、担架に運ばれて退場となった。

試合後は、初勝利に「最高です!」と納得の表情。「KOするならストレートしかない。ボディーストレートを撃つと見せかけて頭に一発で終わらせるというシナリオを描いていたが、そのままになって自分が一番驚いている」と白い歯をこぼした。

デビュー戦となった今年2月の立ち技格闘技、RISE横浜大会では、モンゴル出身のデリゲルムルン拳信王に1回KO負け。公開練習では「課題はない」と強気に発言していたが、手も足も出ず、プロの洗礼を浴びた。それでも、元プロボクシング世界王者、竹原慎二に教えをこうなど練習を積み、大会前にはボクシング漫画「はじめの一歩」を読み込んでモチベーションを高めた。約9カ月ぶりとなった2戦目で、きっちりと結果を出した。

相内は12年ドラフト2位で西武入団。仮契約後に仮免許運転違反を犯し、入団は一時凍結となった。14年には未成年ながら飲酒、喫煙が発覚。その後も、道路交通法違反や自宅待機中のゴルフなど問題を起こし、昨年1軍未勝利のまま戦力外となった。今年2月に格闘家デビュー。「多くの人に支えてもらってここまで来られた。試合で恩返ししたい」と第2の人生で再起を誓っていた。