メインイベンターとしての役割を全うした。萩原京平(25=SMOKER GYM)が、地元関西の応援を背に、初代ライト級キング・オブ・パンクラシストの昇侍(しょうじ、38=トイカツ道場)を2回TKOで破った。

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RIZINでは初のケージ(金網)での開催となったが、「ストライカーの僕からしたらやりやすい」との言葉通り、何度もテークダウンを奪われながらも、一歩も引かずに激しい打撃を繰り出した。最後は2回1分19秒。打ち下ろしの右強打を頭部に決めて昇侍を後退させると、最後は左のフックで倒した。

この日が旗揚げ戦となったTRIGGERシリーズのテーマは選手の再生や原点回帰、発掘や育成。「再起」を期す思いは萩原も同じだった。前戦の10月2日のランドマーク大会では、朝倉未来に0-3の判定負けを喫し、悔し涙を流した。それでも「鬱憤(うっぷん)がたまっている部分がある。バチバチの試合をして早く解放したい」と気持ちを切り替え、57日で戦いの舞台に戻ってきた。

いつでも前向きな姿勢が萩原の魅力だ。1週間前には左目の物貰いを患ったが「今までできたことがないのに、このタイミングで“いただいた”」とポジティブシンキング。試合後は「男の真っ向勝負ができた。最高。その一言に尽きます」と熱闘を振り返り、「これがあったから勝てたのかな」と笑顔で左目を指さした。

有言実行の勝利で、目標とする2年連続の大みそか大会へ前進した。榊原CEOからも「メインを託して余りある戦いだった」とたたえられた。それでも、まだまだ慢心はしない。「来年、朝倉未来選手にリベンジしてベルトを取りたい」。打倒朝倉-。神戸の地で、力強くリベンジ宣言だ。【勝部晃多】