IWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカ(34)が因縁の戦いに終止符を打った。自称「リアル」同級王者ウィル・オスプレイ(28)と対戦。前日4日の鷹木信悟との35分を超える熱闘の疲れを物ともせず、東京ドーム大会のメインイベントを2連勝で飾った。これにより、鷹木、オスプレイをめぐる3者のベルト論争を終結。正真正銘の真チャンピオン、オカダが、3月6日で創立50周年を迎える新日本プロレスをけん引する。

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どちらが勝ってもおかしくない紙一重の攻防が続いた。何度も打撃を与えられたオカダの顔面は土色になった。それでも最後は、32分52秒、必殺技のレインメーカー(回転式のショートレンジラリアット)で宿敵を沈めた。意識をもうろうとさせながらも勝ち名乗りを受けたオカダは「これで胸を張って言える。IWGP世界ヘビー級チャンピオンはこの俺だ!」と力をふり絞って絶叫。「昨日の鷹木さん、今日のオスプレイのように、50周年にふさわしい相手とふさわしい試合をしますので、ご注目ください」と力を込めた。

続けて「猪木さん、おれは新日本プロレスのリングの上に上がってくれるのを待っている。元気があれば何でもできる、そうでしょ?元気になってまたこのリングに上がってください」。心臓の病気で闘病生活を続ける新日本の創立者アントニオ猪木氏に呼びかけると、涙を拭った。

「もう無観客に戻りたくはない。これからもしっかりとみんなの前で戦っていく。50年先までオカダ・カズチカで食っていけるように、盛り上げていきますのでよろしくお願いします」と叫んだ。

チャンピオンの誇りを胸に、新たな歴史を築いていく。

◆オカダ・カズチカ 1987年(昭62)11月8日、愛知県安城市生まれ。中学卒業後に闘竜門に入門し04年8月、16歳の時にメキシコでデビュー。07年8月に新日本入り。12年には棚橋を下し、IWGPヘビー級王座を初戴冠。同年、初出場のG1クライマックスで史上最年少優勝。21年秋に7年ぶり3度目のG1制覇を果たした。IWGPヘビー級は第57、59、63、65代王者。得意技はレインメーカー。191センチ、107キロ。妻は声優の三森すずこ。