ピンチをチャンスに変えた。“超新星”の異名を取る、RIZIN女子スーパーアトム級、DEEP・JEWELSストロー級の2冠王者伊沢星花(24=フリー)が、念願のグランプリ初戦を逆転の一本勝ちで飾った。

メインイベントとなった「RIZIN WORLD GP2022女子スーパーアトム級(49キロ契約体重)トーナメント」1回戦で、ブラジル人ファイターのラーラ・フォントーラ(21=Constrictor Team)と対戦。自身の6を上回る、無傷のプロ7連勝中の相手に、初めてグラウンドのポジションで劣勢に持ち込まれた。それでも何とかこらえると、逆に下のポジションを生かし、ギロチンチョークの体勢に移行。しっかりと絞め上げて、逆転のタップアウトを奪った。1回3分48秒の決着だった。

RIZINでは初めてとなった赤コーナーにあやかり、赤尽くしで臨んだ。コスチュームもド派手な赤と金。髪色も一部を人生初という赤色に染めて、闘志を燃やした。

試合後は泣きじゃくり、マイクもほとんど聞き取れず。それでも、最後は「びしっと決められてよかった!」と、屈託のない笑顔で締めくくった。

今年4月の東京大会で、浜崎朱加(あやか、40=AACC)を判定3-0で破り、RIZINの栄冠を手にした。だが、それだけでは飽き足らず、試合後すぐに「RIZINで一番強いことを証明したい」と、榊原信行CEOにワールドトーナメントの開催を直訴。悲願のトーナメント開催となったが、その先を見据えている。「優勝することは最低条件。女子格闘技に注目を集めるためには魅せる試合をすることが大切」。間違いなく、ファンを魅了し続けている。

今年6月には、昨年から交際を続ける総合格闘家のCORO(34=K-Clann)との婚約を発表した。DEEPバンタム級暫定王者でRIZINにも参戦経験のあるパートナーの存在は、公私ともに刺激になっている。「同じ目標があると頑張れる」。この日もセコンドでサポートしてくれたフィアンセに、最高の勝利を届けた。

【ライブ速報】2冠女王の伊沢星花が“ブラジル超新星”にKO勝利