人気総合格闘家の朝倉未来(30=トライフォース赤坂)はフロイド・メイウェザー(45=米国)をマットに沈めることはできなかった。

世界50カ国超で配信された「超(スーパー)RIZIN」のメインイベントで、ボクシングに準じるエキシビションマッチ3分3回(体重無制限)で対戦。2回終盤にメイウェザーの右ストレートを食らい、立つことができなかった。2回TKO負けとなった。

朝倉は大会当日まで、淡々と自分の仕事に徹してきた。メイウェザーは18日の夜に来日後、東京で豪遊ざんまい。そんな、なめているとも捉えられる姿を見ても「俺の方がもっと遊んでる。全然問題ない」と全く意に介さなかった。SNSなどで「勝てるわけがない」などと批判されても「みんなが負けると思っていて気が楽」と前向きに捉えた。周囲の雑音を気にすることなく、練習に取り組んできた証だった。

もちろん負ける気は一切なかった。メイウェザー戦が決まった直後から、6連勝中の人気キックボクサーYA-MAN(26=TARGET SHIBUYA)をスパーリングパートナーに起用。週2~3回のスパーリングでは、通常、16オンスグローブで行うところを、より拳の衝撃がダイレクトに伝わる8オンスグローブを使用し、感覚を研ぎ澄ました。

1カ月以上、練習をともにしてきたYA-MANからは「頭がいい。やっぱり最初とは全然違って、最後の方は全然パンチが当たらなかった。成長の幅がすごい」と、うらやまれるポテンシャルを発揮。朝倉は「(メイウェザーより)俺の方がパンチ力は強い」と、人生初となるボクシングに準じる試合でも、手応えをつかんでいた。

レジェンドと拳を交えた経験は、主戦場の総合格闘技のリングで生かす。「ボクシングを練習することでMMAが強くなった。MMAを早くやりたくてしょうがない」。メイウェザー戦の前にも再三、総合格闘技への思いを語ってきた朝倉。その横顔に、昨年6月にクレベルに敗れた直後に引退をほのめかしていた時の面影は全くない。“路上の伝説”は“無敗の伝説”との巡り合いで、さらなる意欲をかき立てられたようだった。

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