新時代の幕開けだ-。ワールド・オブ・スターダム選手権試合で、ジュリアが11度目防衛を狙った朱里を残り9秒で破り、新王者に輝いた。

残り1分を切り、引き分け濃厚となってきた中で、ジュリアはギアを上げた。バックドロップの後に右パンチを打ち込み、「残り10秒」のアナウンスが流れた直後に3カウントを奪い、その場に倒れ込んだ。

ついに悲願の頂点に立った。1年以上ベルトを保持しつづけていた朱里を王者の座からようやく引きずり下ろした。戦前の予想通り、30分間自分が培ってきたもの全てを出し尽くした。

「朱里だから」最高の試合ができた。1年前までは同じユニットで切磋琢磨(せっさたくま)してきた同士。時にはコンビを組み、時にはシングルマッチでお互いの力を確かめ合ったこともあった。マイクを持ったジュリアが最初に語ったのは、ベルトを巻いてもらった“元相棒”への感謝。「朱里はずっと私のことを支えてきてくれた人。私にプロレスとは何かを教えてくれた人。ありがとう」。思いが強すぎて止まらなくなったのか、途中で我に返り「みんな見てるからこの辺にしておきましょう」と苦笑いするほどだった。

最高の形で22年を締めた。「化け物級に強くて優しくて、これからもずっと尊敬する先輩」の朱里から奪った大切なベルト。「スターダムも女子プロレスも私がひっかき回していく」。23年はジュリアが赤いベルトを巻き続ける。

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