旧体制のK-1ヘビー級で活躍し「マルセイユの悪童」と呼ばれたシリル・アビディ(46=フランス)が、不気味な笑みで元K-1スーパーライト級王者の安保瑠輝也(27)を“威圧”した。19日に千葉・幕張メッセで開催される1分1ラウンドの格闘技イベントBreaking Down7大会で安保との無差別級スペシャルワンマッチで対戦。18日に千葉県内で行われた前日会見に両者そろって出席した。

グレーのスーツ姿で現れたアビディは「まずBreaking Down運営の皆さま、招待していただき、ありがとう。久しぶりの日本だ。引退して長い時間が経過したが、このオファーを受け、試合を楽しみにしている」とリラックスした表情を浮かべた。安保からは「僕に勝てる自信はありますか」など挑発めいた質問を受け続けたが、怒ることなく、不気味な笑みを浮かべて返答した。

「僕は常に勇気を持っていた。いろいろな対戦相手がいたが、KO負けは考えたことない。明日の試合ですべてが分かる。試合をみてくれれば」と口元を引き締めた。07年の試合を最後にリングには立っていないものの「練習に関して、自分よりも体重の軽い選手とスパーリングをやってきた。それによって自分の速さをスピーディーにしてきた。1分間は短いので自分のエネルギーのすべてを費やしていく。それで結果が見えるだけ」と手応えを口にした。

最後に自らコメントを付け加えた。「常に、いつも試合はかなりギリギリで決まっている。さまざまな、かなり強い選手と戦ってきたが、オファー時で1度も断ったことはない。今回も同じ気持ちで挑んでいく。オレがびびっているように見えるか?」と強調した。

旧体制のK-1時代、同じフランス人で、「番長」と言われていたジェロム・レバンナとは犬猿の仲だった。試合ではレバンナに負けているものの、当時は自身の道場に呼び、ケンカでボコボコにしたとの逸話が残っている。まさにケンカ番長となるアビディは「今日はBreaking Downの話ということ。安保戦の話だ。過去のことは…。その方とは和解して、きちんと関係を築いているので、その話は控えさせていただく」と、あえて触れなかった。