「JJ」こと元UFCライトヘビー級王者ジョン・ジョーンズ(35=米国)が124秒殺で史上8人目となるUFC2階級制覇に成功した。元UFCヘビー級暫定王者で同級1位のシリル・ガーヌ(32=フランス)との同級王座決定戦5分5回に臨み、1回2分4秒、ギロチンチョーク(前方裸絞め)で一本勝ちを収めた。同王座は前王者フランシス・ガヌー(フランス)がUFCと契約交渉で合意できずに離脱した際、返上されていた。

ガーヌの左ストレートを回避して背後に入ってテークダウンしたジョーンズは、ケージに押し込み、前方から裸絞めでタップに追い込んでみせた。勝利後、オクタゴンで勝利のダンスを踊ったジョーンズは「まず神、イエス・キリストに感謝したい。祈る時、日々、試合前に彼の存在を力強く感じていた。今はワクワクしている。ずっと練習を積みあげてきた。多くの人がオクタゴン(金網)に戻ってはこないと思っていただろうが、何を言われてもトレーニングを続けていた」と胸を張った。またこの日、10歳の誕生日だった愛娘オリビアちゃんに勝利をささげた。

20年2月のライトヘビー級王座3度目防衛に成功して以来、3年1カ月ぶりの復帰戦だった。ヘビー級の初試合でもあったが、元暫定王者にレベルの差をみせつけ「12歳からレスリングをはじめ、今は今までより強い自分を感じられている。やはり久しぶりなので足がもつれやところもあったが、ここで1番の自信を感じられた」と手応えを示した。

観客席で試合視察していた元同級王者スティペ・ミオシッチ(40=米国)を初防衛戦の挑戦者に指名した。ジョーンズは「ミオシッチをこてんぱんにするところをみたいか? ファンが見たい試合をみせるのがUFCだろ。最高の試合ができるなら君との試合が欲しい」と呼びかけていた。ライトヘビー級王者時代、14勝というUFC史上最多タイトルマッチ勝利記録を保持し、UFC男子パウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強ファイター)ランクの1位だった。

◆過去のUFC2階級制覇王者 ランディ・クートゥア(ヘビー級、ライトヘビー級)、BJペン(ウエルター級、ライト級)、コナー・マクレガー(ライト級、フェザー級)、ジョルジュ・サンピエール(ミドル級、ウエルター級)、ダニエル・コーミエ(ヘビー級、ライトヘビー級)、アマンダ・ヌネス(女子フェザー級、女子バンタム級)、ヘンリー・セフード(バンタム級、フライ級)。なおマクレガー、コーミエ、ヌネス、セフードは2階級王座同時保持した。