大相撲の横綱審議委員会が28日、東京・両国国技館で定例会を開いた。

 九州場所で7場所ぶり3度目の優勝を果たした横綱鶴竜(31=井筒)について守屋秀繁委員長は「たいへん安定感のある相撲で、こんなに強い横綱だったかなと(場所)途中から思った。来場所の活躍にも期待したい」と評価した。全休明けの横綱白鵬(31=宮城野)については「ちょっと力が落ちてきているのかなと勝手に感じています」と語った。

 3横綱を破り12勝3敗の大関稀勢の里(30=田子ノ浦)の、来年1月の初場所での綱取りの認識については、やや難色を示した。優勝の鶴竜に2差の優勝次点ということもあり、同委員長は「今場所の星は(優勝に)準じているが、優勝争いに絡んでいない。(初場所で)優勝しても個人的には、もろ手を挙げて賛成とはいかない」とした。岡本昭委員も「年間最多勝は大したもの。ただ今場所の数字には感心しない。3敗では横綱に結びつかない」と、綱取り場所の認識を否定した。

 千秋楽後に二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)が「全勝優勝ならムードは出てくる」と語ったことには、同委員長も「それはありうる」と語った。この日の委員会でも八角理事長(元横綱北勝海)から、年間最多勝を高く評価する声が出た。それでも横審としては、あくまでも「2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」という内規を尊重したい意向だ。