大相撲夏場所(13日初日、東京・両国国技館)で大関とりに挑む関脇栃ノ心(30=春日野)が10日、2日連続で都内の出羽海部屋に出稽古を行った。

 同じ部屋の栃煌山、碧山に出羽海部屋の御嶽海と相撲を17番とり、9勝8敗。中でも栃煌山には4勝6敗と奮わず、低く力強い立ち合いに何度も押し込まれ、得意の右四つにほとんど持ち込めなかった。終始、自分の相撲を取らせてもらえなかった。

 「悔しいね。悔しいから、今日は話はなし」。とはいえ機嫌が悪かった訳ではない。栃煌山は年齢も1つ上の兄弟子。今場所こそ東前頭15枚目で迎えるが、何度も関脇を経験した実力者だ。しかも、初場所で負傷した左大胸筋もほぼ完治し、仕上がりはすこぶるいい。

 「強いね。今日は全然(上体が)起きなかった。(御嶽海、碧山も含めて)これだけ強い相手とやってるから、いいんだよね。自分1人じゃ強くなれないから。やっぱり気持ち。気持ちで勝たないとね」。初日を3日後に控え、とびきり苦い“良薬”をもらった。