大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)は九州場所(11日初日、福岡国際センター)に向けて6日、福岡市の九重部屋に出稽古。同じく出稽古で訪れていた西前頭筆頭の北勝富士と12番取って9勝3敗と、勝敗以上に内容の伴う三番稽古を行った。手応えをつかみ、約1年半ぶりに目標として「もちろん優勝です」と言い切った。見守った解説者で元小結の舞の海秀平氏も仕上がりを絶賛した。

稽古を見守った舞の海氏は稀勢の里のコメントを予言するように「優勝ですね」と繰り返し、仕上がりの良さを絶賛した。まだ稀勢の里が稽古場にいる段階で報道陣に対応し「先場所よりも数段いい。下半身に安定感があるし力強い。いなされてバタバタするところがない。余裕がある。表情も違う」と、これまで状態の悪さから休場を勧めることもあった辛口は封印。稽古後に稀勢の里が自ら優勝を宣言するよりも早く、優勝を予想していた。

現在の稀勢の里の状態には、目を丸くしたという。「ビックリしました。ここまで戻るとは想像していなかった」と、昨年の2場所連続優勝に近い状態まで戻ったと分析。「序盤で取りこぼさなかったら優勝じゃないですか」と、念を押すように優勝候補に推した。