貴景勝の大関昇進を決めた日本相撲協会の幹部らは27日、大阪市内で開かれた番付編成会議後に取材に応じ、貴景勝の突き押し1本やりの取り口を「すごくおもしろい」「独特」「ブレない」などと評価、大きな期待をかけた。

八角理事長(元横綱北勝海)は「珍しい大関が誕生した。横綱、大関は相撲の型で言えば、まわしを取って、が多かった。(貴景勝は)一切取らずに押していく。大受さんのような感じなのではないか」と、70年代に徹底した押し相撲で鳴らした大関を例えに挙げた。

「これしかないという気持ちが見える。だからこそ、魅力的で印象的。今後出るかどうかわからない(型の)大関」とひたむきな姿勢を評価。また、22歳という年齢に触れて「幕内で一番若いでしょ? (昨年名古屋場所の)御嶽海の優勝から“俺もやればできる”という空気が出てきたけど、今回も“年下が上がったんだから、俺も”となってくるんじゃないか」と、周囲への刺激剤としても期待した。

阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「独特な押し相撲の力士になるんじゃないですか」と言い、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「1本に徹した相撲。またどんな状況でも気持ちがぶれない。その姿勢がいい」と話した。

一方で、さらに上の横綱を目指すために必要なものは何か? 八角理事長は「立ち合いに磨きをかけてほしい。白鵬戦、豪栄道戦がそうだったように、当たられると苦しい。破壊力で押し込むための馬力がもっと必要になる」と話した。

芝田山広報部長は「上(横綱)に上がるために、人の2倍も3倍も稽古して欲しい」と話した。