大相撲の関脇御嶽海(26=出羽海)が、名古屋場所(7日初日)の連覇、さらには年内の大関昇進を宣言した。

初日を翌日に控えた6日、会場のドルフィンズアリーナで行われた土俵祭りに参加後「しっかりと結果を出す。2連覇を狙う」と堂々と話した。昨年は初優勝したゲンの良い場所だけに心身共に充実。昨年果たせなかった大関とりにも言及し「この名古屋で昨年優勝してチャンスをもらった。今年は名古屋で優勝してチャンスをつかみたい。上に早く行きたい気持ちは大きい」と力強く語った。

三役は連続15場所目で、若の里(現西岩親方=19場所)に次ぐ昭和以降単独2位。それでも大関昇進の目安の三役で3場所33勝に届かず、年下で三役経験の浅い貴景勝に先を越された格好だ。その貴景勝は休場で大関陥落の見込みだが「早くケガを治してほしい。また一緒に頑張りたい」と気遣い、エールを送った。強気のコメントは、貴景勝不在の場所を盛り上げ「今場所の主役になれるように」と自分に課したハードル。「名古屋で一からのスタート」。名古屋、秋、九州の3場所で33勝以上挙げ、大関昇進をつかむつもりだ。

ふがいない成績を残せない事情もある。師匠の出羽海親方(元前頭小城ノ花)が、4日の朝稽古を指導中に倒れた。部屋付きの高崎親方(元前頭金開山)によると、短時間に2度も心臓が停止し、この日に退院。相撲協会が行っているAED講習会が生き、迅速な対応ですでにリハビリを開始するまで回復した。また出身の長野県にほど近いとあって、力士指定懸賞はトップで「懸けた人の気持ちに応えたい」。誰よりも白星に飢えている。【高田文太】