大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)で大関とりに挑む関脇朝乃山(25=高砂)が23日、東大阪にある母校・近大で相撲部の合同稽古に参加。1月18日に他界した同大監督の伊東勝人氏(享年55)への思いを語り「大関、横綱になることが恩返し」と決意を新たにした。

朝乃山は同大相撲部の稽古場に飾られた伊東さんの遺影に手を合わせ、頭を下げた。

「今までお疲れさまでした。後は天国から見守ってください。そう伝えました」

3年連続3度目の春場所前の合同稽古だが、伊東さんはいない。「朝来て、写真しかなくて。悲しいというより、寂しいです。いつも稽古場に来て、伊東監督にあいさつして、稽古していたのに」と話した。

伊東さんの存在をこう口にした。

「1年の時からネチネチ指導してもらいました。厳しいけど、愛情があるネチネチなんです。細かい部分まで注意してくださって、今は本当にそれが大事なんだと思います」-。

この日は後輩の学生力士に積極的に胸を出し、稽古をつけた。「元気、若々しさ」に触れて、エネルギーをもらった。春場所で11勝すれば、大関昇進の目安となる「直近3場所で三役での33勝」に届く。「いつまでも監督のことを考えていちゃいけない。土俵で勝つことが大事。体調管理をしっかりして、優勝を目指して頑張ります」と言葉に気合を込めた。