大相撲の鳴戸部屋が13日、東京・墨田区の部屋で行った朝稽古をツイッターでライブ配信した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの相撲部屋がファンの朝稽古の見学を断っている中、鳴戸部屋は4月5日に初めて朝稽古をライブ配信して話題を呼んでいた。

この日も午前9時ごろから配信が始まり約35分間、部屋のマネジャーが上がり座敷から撮影した映像を約4500人のファンに届けた。各部屋の師匠判断となっている、接触を伴う稽古の1つの申し合い稽古が行われるなど、熱のこもった稽古を配信。稽古後にマネジャーからの質問に答えた鳴戸親方(元大関琴欧洲)は「やっと(本格的な)稽古ができるようになった。みんな手探り状態で、体調はまだ戻ってきてはいないと思うけど少しずつ強くなっている。充実しています」とコメントした。

稽古後には、鳴戸親方が膝の問診を受ける映像も配信された。現役時代に両膝とも靱帯(じんたい)を痛め、特に右膝蓋(しつがい)骨脱臼は、引退の一因になった。引退から約5年半たった昨年9月、お茶の水セルクリニックで最先端の再生医療「幹細胞治療」を受け、この日は同クリニックから部屋を訪れた寺尾友宏医師と斉藤琢医師に、約30分間上がり座敷で膝の状態を診てもらった。

疲労がたまると痛みが出てくるが、治療を受ける前に比べると各段に良くなっているという。問診もそこそこに終始、両医師からの膝のケアや治療などについてのさまざまなアドバイスに、真剣な表情で耳を傾けた鳴戸親方。特に「関節は使ってないと悪くなる、というのはお年寄りの治療で有名な話」、「動かした方が良く治る。放っておくと固くなるからしっかり正しく動かしていくことが大事」というアドバイスには、大きくうなずいた。

問診中に膝に痛みを持つ弟子を呼び、急きょ診てもらう様子も配信された。両医師が弟子の膝や足首を触りながら問診する様子を、稽古で指導する時と同じぐらい真剣なまなざしで見ていた。