大相撲11月場所(8日初日、東京・両国国技館)を自己最高位の西前頭筆頭で迎える若隆景(25=荒汐)が30日、電話取材に応じた。

朝稽古では実兄の十両若元春、幕下若隆元らと15番ほど相撲を取ったといい「体の調子は悪くない。もうちょっと番数をこなして体を作っていきたい」と現状を話した。

昨年の九州場所で新入幕を果たして1年がたった。その九州場所は右足首を負傷して途中休場。今年の初場所と春場所で十両を経験するも、再入幕となった7月場所で10勝、秋場所で11勝と結果を残してきた。

「十両に落ちて悔しい気持ちもあったけど、幕内で活躍できて濃い1年」と振り返る。派手さこそはないが、下からの丁寧な攻めが武器。「幕内上位でも相撲が取れるんだなと自信になった」と手応えをつかんだ1年でもあった。

祖父の若葉山の最高位、小結が目前に迫ってきた。「入門した頃は関取に上がることを目標にやっていた。でも上がってからは祖父の番付を目指してやっています」と話した。毎年、祖父の墓参りは欠かさず行っているという。「いつかは超えたい」と天国で見守る祖父へ、土俵上で奮闘する姿を見せる。